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紺。。
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海の底で待ち合わせ
わずかな灯りで足元が照らされている。 光源は少なく、先程までよく見えていたはずの茨城の顔も、薄暗闇の中では表情が読み取りにくい。彼の歩調が遅くなる。模造された深海の中で、魚が泳いでいるのが見えた。鱗が反射している。 水槽と人の境目が曖昧だ。周囲が暗いせいだ。 通り過ぎるように泳いでいく魚の動きを追って、指先で水槽をなぞる。爪が当たった。こつんと微かな音がする。境界線は冷たいガラス。 立ち止まって眺めていると、今まで黙っていた茨城が不意に秋田を呼んだ。 はっとして声の方を振り向くと、思いがけず距離が近い。 思わず慌てて後ずさろうとするが、後ろは水槽だ。すかさず肩を掴まれた。 秋田の行動に首を傾げながらも「大丈夫ですか?」とこちらを伺ってくる。 驚いたとは言えず、「足元が見えなくて……」と苦しい言い訳を口走った。動揺したことなどとっくに見透かされていそうなものだが、茨城は不審そうにするでもなく、「そうですか」と平淡な調子で応える。 納得したのかそれとも秋田の言い訳などどうでもよかったのか、追求されなかったことにほっとしていると、急に手をとられた。 彼の顔を見上げる。秋田が口を開く前に「暗いから」とだけ告げた。 茨城がゆっくりと歩き出す。綱渡りをするような慎重さでその後を追う。先を行くくせに秋田の歩調に合わせて進む。急かすことは一切なかった。 一通り見て回り、明るい場所へと進んでいく。理由がなくなれば、この手は離されるのだろうか。理由がなければ、会うこともできないのか。唐突に立ち止まった。茨城が振り向く。会いたいです。息を吸うのと一緒にその言葉を飲み込んだ。
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Heart
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紺。。
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海の底で待ち合わせ
紺。。
2017/03/19 12:31
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