kazu@:そんなひ | 手書きブログ

「本山ァーーーーーーーッッ！」
「駄目ぇ〜。太陽フレア〜」
畜生。
わかんねーよ。
最近、本山の言い訳は何かにつけてコレである。
使うのは別に構わない。
でもお前、絶対に意味わかってねーだろって本人に聞いてみたら案の定だった。
「じゃあさ。逆に聞くけど、顧問ちゃん分かんの？」
「いや。俺もわかんねーけど、こう……なんか爆発する的なアレだろ？」
じゃあ駄目じゃん。
今度、天文部の奴らに聞いてみるか。
本山を回収し終えたと同時に終わりを告げる鐘が鳴る。
本山を席に着かせた俺は、教室を後にした。
職員室に向かう途中の廊下を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。
思わず足を止める。
「あ」
居た。
天文部の奴らだ。
これはちょうど良いタイミングで発見したんじゃなかろうか。
俺は早速、太陽なんちゃらについて話を聞こうとした……んだが、なんか様子がおかしい。
んんん？
んーーーーーー？
コレって、もしかして。
もしかしなくてもコレ、所謂ホモってヤツなのか？
んーーーーーー？
いや。
いやいや。もちつけ。
ここは敢えて、大人として黙っておくべきなのか？
どうなんだ。
にしても、最近の野郎はどうなってんだ。
恋愛って言ったら、普通は男女だろ？
それなのに普通に男同士で付き合ってる。
これはこれで有りなのだろうか……。
「ばっかだねぇｗｗｗ今更それ言っちゃうんだ？」
「っ！‥本山。お前いつからってか、勝手に人の心を読むな」
「え。何言ってんの？顧問ちゃん。頭ダイジョブ？」
ああ。
なんか、もう……どうでもいい気がしてきた。
本山の登場により、さっきまでの悩みが嘘のように吹き飛んだ。

ある日。
「本山アアアアァァ…………あ？」
お前なんつー格好してんだ。
極たまに、本山が一方的につるんでる男子生徒が居る。
絡まれている方は満更でもなくっていうか俺が見る限り事の成り行きで巻き込まれている感じっぽい男子生徒。
そんな、なんとなくな感じで「とっちー」とか「都一」とか本山が脈絡無く呼ぶもんだから断定は出来ないが確か……水卜都一と言ったか。
いつものように本山を追いかけている最中、紙で出来た輪っかを冠みたく頭に乗っけてる奴がチラつくなぁーと思ったら水卜だった。
お前かよ。
「あーっ！都一だぁ！」
……そういえば。
十月十日辺りに、誕生日なんですって言っていた気がする。
うん。
嬉しいのはわかる。
祝われたら、そりゃぁ嬉しいよな。
でもな、水卜。
それ付けた状態で授業するのだけは止めておけ？
「はあー……」
いつものように引き戸を開けた俺は、普段と変わりないテンションで教室に踏み込む。
俺のあとから数秒遅れて、とたとたと小走りで走る本山の後頭部を横目に見送る。
もうとやかく言うのも面倒なので本山が席に着いたのを確認しつつ、そのまま普段通りに教卓に立つ。
必然と集まる視線。
めっちゃ痛い。
「オラァ、お前等ァ。席付けー……」
若干、震え声なのはこの際どうでもいい。
チラッと横を見ると何か何処かで見たことある猫のオムライス風スタイルの本山が、早速寝ていた。
デジャヴ。
何なんだこれは……。
いやしかし、俺以外にもこのクラス全員が今この場で目撃してるはずだ。
だが何故、誰もツッコまないんだ。
頼む。
誰でもいいから、早く何か言ってくれ。
でなきゃ俺のヤワなメンタルが保たん。
もう、敢えて触れないパターンにはしたくないんだ。
……おおい。
だから何なんだよ。
お前らのその団結力わァッ！

えー……。
となるとコレは俺が言うべきなのか？
とりあえず……。
「自習にする」
俺はやむを得ず、その場を逃げた。
こんな羞恥心耐えられない！
本山も何で、それをチョイスしたんだよ。
その明らか過ぎる顔を止めろ。
待機してますって目で俺を見るな。

とりあえず一服しよう。
「あれ……」
そういやコレ、何箱目だ？
今週に入ってからのタバコの消費が早い気がする。
あーーーッッ！
早く終わらねーかなーー！
うわああああっ、と廊下で一人小言を言いながら泣き叫ぶ姿とか自分で言うのもあれだがヤバイよな。
「あー……」
虚しい。
マジ虚しいわ。
あの問題児の回収に無駄な体力を消費する回数が少しだけ減ったとは言え、監視は怠らずに継続している。
給料を減らされるくらいなら、本山を追いかけ回してた方が数倍マシだ。

なんやかんやあって終業を告げる鐘が鳴る。
「…………」
まだ居る。
懲りずにまだ居る。
一時間ずっと、教室の隅っこを陣取っていた猫の様な物体。
にしても何でまた、黄色いタオルケットなんだ。
やっぱりアレか。
アレなのか。
正直、行きたくはないし障りたくない。
出来る事なら全力でスルーしたいが、何故なんだ。
コイツを何とかしなければ次のステージに行けない気がしてきたのと、後々なんか面倒なことになりそうな未来が容易に想像できた。
なので俺は意を決して教室の奥へ歩き出す。
謎の物体の前にしゃがみ込み、黄色いタオルケットの端を摘み上げてゆっくりと捲り上げる。
「ふにゃ……。もお朝ァ？」
「…………」
やっぱりお前か。
黄色いタオルケットを捲くった瞬間、俺は前進の力が抜けた。
もう、何も言うまい。
「もー……とー……やー……まァー？」
「あは☆」
「くをらあああああああああッッッッ」
俺は腹の底から唸りを上げた。
マジで止めてくれ。
頼むから。

読者になる Heart

あとがき

ここ最近、書き溜めていた短編を顧問ちゃん視点でまとめてみました。
①『太陽フレア』ネタ
②華将くんおめでとう的な話
③都一くんおめでとう的な話
全体的に、ふわっとお借りしました。

Hearts

応援メッセージ

はな_様:うわわっ(ﾟдﾟ)！ハートありがとうございまぁぁぁす！！！(*´∀｀*)
太陽フレアネタではお世話になりました。そして、華将くんおめでとう！ (2017/10/13 00:33 by kazu@)

トート様:うわわっΣ(ﾟДﾟ)2日も遅刻すみません^^;
改めまして、都一君おめでとおおおおお！！
そしてカスタム×2つもありがとぉぉぉございます！！！(^O^) (2017/10/13 20:27 by kazu@)

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kazu@

人外と幼女をこよなく愛する奇跡の阿呆で、いつかやる詐欺(※)の常習犯。
絵柄が絶賛迷子中。

Link：
【BLog】人はそれを阿呆と呼ぶ。EX
→http://mblg.tv/hitosoresha/
【Mycon】PR
→https://mblg.tv/hitosoresha/entry/725/
【GALLERIA】たられば本舗自由帳
→https://galleria.emotionflow.com/23447/

※いつかやる詐欺
「やりかもしれない」「○○やる予定」と言いながら実践することなく、そのままお蔵入りしちゃう。
または、未完成のまま放置しちゃうというような手口のこと。

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