TEGAKI
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海浬 緑景
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ミキと四角い顔の人
ボクはミキ。 それ以外は何もわからない。 だから見るもの全てが新鮮に感じて、知らない物に好奇心を煽られた。 いろんなものを見てきた中、ボクはある光景に見入った。 「やあ!皆さん楽しんでるかい?そうだとワタシも嬉しいな~♪」 小さい広場の中央で、四角くて青い顔の人が陽気に声を上げている。 軽くステップを踏みながらいろんな大きさや形の物を幾つも投げては取り投げては取りを繰り返してる。 時折体の向きを変えたりして、見ている人達に顔を向けてくれる。 楽しそうな空気が周りに広がっているのがわかる。 自然と手を打つ人も出てきてとても素敵な光景だった。 「君は帰らないの?」 声を掛けられてハッとした。 四角い顔の人が首を傾げていた。 広場にはこの人とボクしかいなかった。 「あ、もう終わっちゃったんだ…」 「もう暗くなっちゃうから、早くお家に帰った方がいいよ」 そうか、暗くなったらお家に帰るんだ。 そういえば…。 「ボクのお家、どこだろう?」 「……え?」 ボクは自分の名前しかわからないのだと四角い顔の人に話してみた。 彼は自分の顎に手を掛けるポースで訪ねてきた。 「君のお父さんとお母さんはどこにいるかわかるかい?」 「ん~…それもわからない」 「ありゃ…二人の名前もわからない?」 「うん」 「そっか~困ったね~…」 今度は腕を組んで考え込んでいる。 ……そうだ! 「あの、四角いお顔さんのお家に行ってもいい?」 「……えっと、ワタシのお家?」 「うん、あなたのお家。」 「ワタシはこの後予定があるから……そしたら、知り合いのお兄さんにお願いするからちょっと待っててね」 四角い顔の人はすぐ戻るね~と言うと、荷物を抱えて広場を離れていく。 言われた通りに待っていよう。 ……そう思っていたんだけど、なんだか寂しくなってきた。 彼と話している内に空が赤くなっていたみたいだ。 その風景がなんとなく怖い。 ボクは駆け出して、彼の足にしがみついた。 「まっ…待って!!」 「おわぁっ!?」 ボクが飛びついた衝撃で、四角い顔の人が思い切り倒れてしまった。 そして…その勢いで彼の四角い頭が飛んで行ってしまった。 「ひゃあああああ!!お顔さああああん!!!!」 「しまった!被り物!!」 絶叫していると、下から声が聞こえた。 見てみると、男の人が頭を抱えて慌てていた。 「あ…れ?四角いお顔さん…?」 「ちょっ、なんで起き上がれないんだ……って、誰!?」 「え?お兄さんが四角いお顔の人?僕はミキだよ!」 「……はぁ!?」 お兄さんは驚いた顔をして僕を見ている。 この人がさっきの四角い顔の人なら、僕の事わかるはずなんだけど…。 ふと、ガラスに映った自分の姿を見た。 「あわわっ、おっきくなっちゃってる!ちょっと待っててね……スー…ハー…」 「ど…どうなってるんだ…!?」 深呼吸をして心を落ち着かせる。 体の大きさを戻してお兄さんに声を掛けた。 「あのねっ、ボクはびっくりすると大きさが変わっちゃうんだ」 「そんな人間見た事無いんだが……とりあえず足を放してくれ」 「そうだった!ごめんなさい!」 ボクは手を放して、少し先まで飛んでいった四角い頭を持ち上げた。 よく見ると一面だけ四角い箱に顔が描いてあり、別の一面には頭が入るくらいの穴が開いていた。 近寄ってきたお兄さんに箱を渡した。 「これを被りながらさっきの動きをしてたの?すごいな~!」 「知り合いに大道芸をやっている事は隠してるからな」 「ダイドウゲイって、さっきやってた事?」 「あぁ、俺の特技だ」 ぐぅ~…。 話している間にボクのお腹の音が鳴る。 そういえば、いろいろな物を夢中になって見て回っていたから、ご飯を食べる事を忘れてた。 仕方ないな…と呟くのが聞こえたと思ったら、お兄さんに手を引かれた。 「本当は警察や病院に頼るべきなんだろうが、なんかワケアリみたいだしな……とりあえず俺の家に行くか」 「いいの?ごはんも食べてもいい?」 「他人に振舞った事が無いけどそれでもよかったら作るぞ」 「わーい!ごはん食べたい!」 「わかったからそんなに腕を振るんじゃない…今度は腕が取れる」 「ひぇっ…!」 大人しくお兄さんの後を歩きながら、彼の家に向かう。 そしてふと、お兄さんの名前を知らない事に気が付いた。 「ねえ、お兄さんはなんて名前なの?」 「俺の名前か?蒼生(あおい)だ」 「蒼生…蒼生にーちゃんって呼んでもいい?」 「あの現象を見てるからそう呼ばれていいものか微妙なところだが…まぁいいか」 蒼生にーちゃんと話していて気付いたんだけど、一人でいるより誰かと一緒の方が安心する。 そして、ボク自身自分の事がよくわからなくて少し怖いのに、手を差し伸べてくれた優しいお兄さん。 これが、ボクと蒼生にーちゃんの出会いでした。 「そういえば、お顔を被ってる時の声と話し方が違うね」 「被ってる時は別人として演じないと知り合いにバレるからな、内緒にしてくれよ?」 「は~い!」 【終】
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Heart
あとがき
ここからミキと蒼生の生活が始まります。
余談ですが、蒼生は箱被ってる時は裏声使ってます。
Hearts
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海浬 緑景
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