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当番
外は寒波の影響で、猛吹雪となっている。 自分のいる待機室は頑丈なつくりとはいえ、 ごうごうと吠え狂う音に すこし身がすくんだ。 ほんのすこし。 着慣れたセーラー服に腕章をつけて 「当番」の装備は完了だ。 ハードな仕事とはいえ、 今日は気の良い友達と一緒だ。 心強いに決まっている。うん。 さて、と。 待機室には、自分以外に学生服の少年がふたりいた。 どちらも自分と気の合う遊び友達で、性格は片方は硬く、片方は柔い。 硬いほうはいつもより表情を硬くして、 自分と、もうひとりを見つめている。 「だいじょうぶだって。もう何度もやってるし」 そう言っても、彼は表情を変えない。 「当番」は確かに危険だけど、命を落とすほどじゃない。 なにかが‘削れる’かもしれないだけだし、 それも滅多に起きない。 「ん」 「…ん」 柔いほうの少年から 口をつけたばかりのフラスコを受け取った。 「当番」はこれを回し飲みしてから仕事に向かう。 実際、飲まないと「当番」はできない。 とはいえ…。 フラスコの中身は黄とも緑ともつかない透明な液体で、 どろってしていて、味は最悪だ。 これさえなきゃ「当番」はいくらでもやるんだけど。 ちゅうちょしていたら、友達が笑った。 「はやくしろよ。ちゃっちゃと行ってこようぜ」 鼻をつまんで一気に飲んだ。 どろりとした苦甘さが喉を通る。うげえ。 フラスコをテーブルに置こうとしたら、横からかっさらわれた。 え。 硬い表情をしていた少年が、残りを一気飲みした。 柔いほうが声を上げる。 「おい、ふたりだけでいいんだぞ!? おまえはここで待っ」 「そうだよ、なんで」 「行く。おまえらだけでは嫌な予感がするし」 言葉を切って、こっちをにらんだ。 「おまえがどこに行こうと、そこに俺も行く」 え? 柔い少年が硬い少年の肩を叩いた。 叩かれたほうは、にやにやしながら覗き込む顔に、 うるさいな、と言いながら予備の腕章をはめる。 自分だけが、意味をつかめない。 腕を取ると、真っ赤になっている。 「赤いよ、アレルギー反応出たんじゃないの」 「これ、これは違っ」 (聞いていた柔いほうが爆笑したけど、なんで?) 「ねえ、どこにでもついてくるってどういうこと? それってどこでなにしてても来るってこと?」 「そういうことだっ」 「じゃあじゃあ、たとえば」 「うるさい。行くぞ!」 「ちょっと。ねえってば!」 もう猛吹雪の音は怖くなかった。
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Heart
あとがき
何かの侵入を見張る当番だった気がする。
Hearts
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