TEGAKI
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今井浄御
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ウォール
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猫と私の夕餉
我が家の猫は白地に黒と茶の斑紋が入り混じった、その辺によくいるありふれた柄の三毛猫だが、ふと疑問がわいた。白と黒の猫は二毛猫とは言わない、たいていは「ぶち」だの「はちわれ」だ。茶色と白の二色でも「ちゃとら」であろうし英国風に倣えば「マーマレード」らしい。風流である。 しかし三毛より更に色の複雑に入り混じったやつ、はて、あれは何なのだろう。何とも一言では言い表せぬ色のを「さび猫」と呼んでいたように記憶しているが、間違っても四毛や五毛とは言わぬ。 もっとも「ごけねこ」では後家さんのようだし「よけねこ」ではあからさまに邪魔者扱いで気の毒な気がする。なかなか落としどころが無いのだから、やはりそう呼ばぬが正解なのだろう。横で昼寝をしていた猫は、そんな益体も無いことを考える主人を呆れ顔で眺めやると、ひとつ欠伸をしてからどこかへ行ってしまった。 そろそろ腹が減った。飯の支度をしよう。お櫃の残り飯に若布と葱の味噌汁、さんまを焼いて大根おろしを添える。沢庵と梅干。猫の分のさんまを取り分けてから、ちゃぶ台に一人向かっていると、猫が戻ってきた。なにやら口に咥えている。…アレだ。 そう、非常に迷惑な、猫のお土産の筆頭といえば例のアレだ。騒いでも仕方ないので、猫の心づくしは気持ちだけ頂くとして、いやげものは懐紙に包んで潰し、とっとと捨てる。 猫は主人の貧しい食卓を一品豪華にしてやれたとしごく満足そうに、前足を揃えてにゃあと鳴く。礼とばかり、さんまの皿を置いてやり、飯の続きに戻った。外は雨だ。＜了＞
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Heart
あとがき
猫の名前は特に無い。「ねこ」「たま」でも適当に何と呼ばれても返事する。三軒先の家でも「みいちゃん」と呼ばれて餌をもらっている。アレはつまりその何だ、アレです。
Hearts
応援メッセージ
ハートありがとうございます！嬉しいですにゃー
(2017/06/20 12:40
by 今井浄御
)
ハートありがとにゃ～ｺﾞﾊﾝﾀﾞﾆｬｰ~(=^･･^)ﾍ >ﾟ)))彡
(2017/09/14 21:02
by 今井浄御
)
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今井浄御
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－覡中劇－【登場人物紹介】
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2019年2月 ウォール落書き日記まとめ
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