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ひなたぼっこ
私は合成獣らしい。 名前はまだ無い。 いや、厳密には消失した。 元々あったと思われる《名前》そのものを失くしたんだと思う。 恐らく、意図的に。 しかし、そんなんはどうでもいい。 食用にと育てた牛や豚、鶏にわざわざ名前を付ける事はしないだろう。 要は、それと同じ。 それその物を判別・認識する為の《ナンバー》は振り当てられる事はあっても、それは《名前》では無い。 ただのナンバー、数字である。 だから、もしかしたら最初から《名前》なんて失いのかもしれないけれど、それで不便だと感じた事は無い。 つい先日、他の奴が檻の外に出たっきり帰ってこなかった。 それでだ。 ああ、と私は悟った。 私も直に処分される。 そう思ったが、別にどうでも良かった。 次の朝、私が消えても誰も悲しむ奴なんてここには居ないだろう。 それなのに。 「おっはよー」 「……」 馬鹿がいた。 どうしてこうなった。 目が覚めたら、私は檻の外にいて、空っぽになった檻の中には人間のガキが居た。 鉄の棒を挟んだ向こう側で、ヘラヘラと笑って居る。 ああ、これは夢か。 そうか。 「君の名前が知りたいな」 ぼんやりしていると檻の中に居る人間が、棒の隙間から腕を伸ばしてきた。 広げた両手て私の顔を挟み込み、勢い良く顔を近づけてきた。 近い。 と言うか、怖い。 今までも人間は見てきたが、こんな奴は初めてだ。 それなりに顔は見えていたし、目元も見えていた。 とは言え、それは能面みたいに笑ってるだけの胡散臭い人間ばかりだったが。 基本、胡散臭いのが人間だと思っていた。 思っていたのだが、コイツは……。 「ねえ、教えてよ」 唯一、口元だけが見えている。 そのお陰で、ヘラヘラ笑っている事だけは読み取れたが、目元が包帯で覆われていた。 目元が見えない。 それだけの事なのに、私は躊躇っていた。 ……躊躇っていた?何に。 この人間が怖い?どうして。 どちらにせよ、喋る気は全くない。 と言うか、喋ることなんて何もないだろ。 放っておいてくれ。 「五秒以内に数えてくれなきゃ、勝手につけちゃうぞ」 ……いや、何をだ。 人間の提案に思わずツッコミを入れたが、応えてやるという選択肢は私にはない。 いーち、にーぃっ、さぁーん。 たんたんと、一定のテンポでカウントをし始めたが、私は無視を貫く。 「四、五!」 「おいっ!」 「あははwwwwww」 しまった。 思わず声が出た。 人間は、企みが成功したようで、満足げに笑いだした。 「はい。時間切れ!」 「今のは無しだろ」 「全然ありでぇ〜す。てことで約束通り、あだ名付けまーす」 「おい」 また会うかもしれないから。 そんな妙な事を言い残し、人間はあだ名を考え始めた。 いや、正確には考えているふりか。 わざとらしい。 「っよし、デスに決めた!」 「は?」 ーーーす。デス。 「うぅ、ん‥」 目が覚めた。 「なんゃよお〜」 「ちょwwwそれ逆に言い難くない?ww‥いや、もうすぐオヤツだから起こして来てって言われて来ただけなんだけど」 「……あ、そ」 そこには見慣れた定位置と、馬鹿がいた。
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Heart
あとがき
うちの子で、『出会い』みたいな物が書きたかったっていう。
Hearts
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kazu@
人外と幼女をこよなく愛する奇跡の阿呆で、いつかやる詐欺(※)の常習犯。
絵柄が絶賛迷子中。
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【BLog】人はそれを阿呆と呼ぶ。EX
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http://mblg.tv/hitosoresha/
【Mycon】PR
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【GALLERIA】たられば本舗 自由帳
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※いつかやる詐欺
「やりかもしれない」「○○やる予定」と言いながら実践することなく、そのままお蔵入りしちゃう。
または、未完成のまま放置しちゃうというような手口のこと。
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なんでもない日
kazu@
2017/11/05 17:38
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夢見る少女は輪廻の中で。
kazu@
2017/10/23 00:10
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kazu@
2017/10/18 20:47
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