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冬の来訪
これほどひどい冬の嵐ははじめてだ。 外を見ると、木々は折れよとばかりに揺さぶられている。 細かい雪を乗せた風が、家を吹き飛ばそうとばかりに打ちつける。 容赦ない暴風は家屋を軋ませ、窓は叩かれるような音を立てる。 ごうごう バン ごうごう バン ああ、うるさい。轟音で耳がおかしくなりそうだ。 明日まで荒れるでしょうと天気予報は言った。 これが明日まで続くのかと思うと恐怖を通り越して、苛立ちになった。 「いい加減にしろ。うるさくてたまらない」 つい、天気に怒鳴りつけた。 ピンポーン すこしして、チャイムが鳴った。 インターホンのカメラは冬装備の青年を映していた。誰だろう。玄関に出る。 「どちら様ですか」 「今、ここを通りすがっている者です」 中肉中背で背の高い青年は暴風雪の主らしい。彼はすまなそうに頭を下げた。 「こちらにご挨拶を、と思いまして」 誠意を感じる雰囲気だが、挨拶よりも苦情が言いたい。 「あの、すっごくうるさいんですが」 彼は怯えた。 「す、すみませんっ! どど、どうしてもここを通らねばならないものでして」 「進路変更とかはでき、ない、です、よね」 思いついた妥協案を出したが、彼はしおしおと肩を落とす。 「はい、それは無理なんです」 「ですよねえ」 ため息。 彼だって暴風雪で迷惑をかけたいつもりはないのだ。 強い風、細かい雪、それが彼の性質なのだから。 それに行きたい方向があろうと、車のようにホイホイ変更できないのもわかる。 レールに乗った電車のように、進路方向もすでに決まっているのだから。 これらは彼でもどうすることができないのだ。 道理を責めたって仕方ない。 沈黙が落ちた時、また強風が家屋に体当たりしてきた。 ごうごう バン 家屋が立てる大きな音に彼は驚き、小声で言った。 「すごい、音、ですね」 こっくり、とうなずいた。 「これじゃあ、怒っちゃいますよね。そうですよね」 しょんぼりする青年が、なんだか気の毒に見えてきた。あーもう。 あ。そうだ。 「あのさ。通り道なのは仕方ないと思うけど、早く通り過ぎることはできる?」 青年の顔がパッと明るくなった。 「あ! それはできると思います!」 「じゃあそうしてくれる?」 「わかりました! できるだけ早く通り過ぎるようにしますね! では!」 じゃあよろしくねと玄関を閉めた。 ここで目が覚めた。 じきに暴風雪警報は解除された。
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Heart
あとがき
冬将軍という名の冬の使者だろうか。
H29年12月25日 ヤフー天気予報によると、この時は風速18(m/s)を記録してました。
夢を見ている間にアパートのガラス戸は風圧でドアが開き、バンガッシャーンとガラスが粉々になりました。あーあーあー
Hearts
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