TEGAKI
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ゆみょん
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弔辞に代わりまして祝電披露
同じ文字を扱いながらも、文章を書く形態そのものが変化するというのはなかなかに面白いのではないだろうか。 ほんの少し前は原稿用紙に万年筆で刻み込み、あるいは筆で滔々と紙を染めていた。その前は口で物語は伝えられていたというのに、今では電気製品が0と1で物を語る。雄弁になったのか寡黙になったのかなど知ったことではない。節電だなんだというくせに電気が無くてはならない世界などくたばってしまえ。 元より物語は三つのプロセスを経ねば存在しない。一つは書かれること、語られること。一つは読まれること。そして最後は残ることだ。最初の二つまでなら上手くいく。即興小説なんて莫迦げたサービスまで出ているのだ、書こうという意思さえあれば最大限尊重される世の中になった。しかしそのなかでもセンスが要求される。面白くないものは容赦なく切り捨てられる。引きつけるだけのカリスマ性を備えなければただのコピーアンドペーストで充分。それすら上手にこなせない奴らがいるのだから、舌の肥えた読者を満足させようだなんて思わないことだね。最後の残る残らないに関しては…まあ日本の文豪を見ていればわかるだろう?耐久度が無けれは消える。 文章で食って生きていこうとする奴らは気狂いというのが俺の持論だ。貶してるわけじゃないが、自分の頭の中の妄想を金に変えようとするなんざ良く考えれば鳥肌ものだろう。そんな考えをしていても毎月せこせこと文芸誌に銭を落として、また俺自身も文章を捏ね繰り回しているんだ。自虐的なんだよ。まあこの理論は本を読まない奴は言う権利がないね。そんな奴いるのかと思っていたが、驚いたことにうちの母上様がそうだった。教科書以外の文は読んだことがないんだと。驚いたね、他人の娯楽に口を出す気は無いが、親子でも価値観はこれ程まで違う。思い返せばうちの母親は俺が子供の時に物語をせがんでも語らない女だった。世間話は大好きなのにな。まあそれも含めて人間だ、俺は否定しない。しかし俺は物語を貪欲に読みたかったし語りたくもあった。字も好きだった。それだけの違いさ。 この前何かで読んだ話なんだがな…ああ、これも本の話さ。ただし紙の書籍ではない、電子書籍さ。今は便利になったな。図書館を駆け巡って全集を借りなくては読めない物語が、ただ著作権が切れているという理由だけで好きなだけ享受できるんだぜ?埋もれてさえいなければ、強度があれば息ができる。俺は幸せなことだと思うなあ。 話が逸れた。 俺は芥川を読んでいたんだよ。芥川龍之介。ずーっと昔に生きてたイカれた小説家な。自殺しちまったし死人に口はない。衝動的に読みたい短編があってさ、パソコンを使えば簡単に読めるわけ。本屋に行って駆けまわる時間も文庫を買う金も無しに、検索ワードを叩きこめば三秒で事足りる。おまけにルビまで振っているとなれば利用しない手はないね。 でもさ。なんだか無性に目が「滑る」んだよ。芥川くらいの時代だったら原稿は手書きだったわけだろ。神経質で何度も修正を施す字が紙面に躍る。勿論これは妄想だから、専門家は茶々入れないでくれよ?多少盛った方が胸に響くんだよ、こういう界隈は。それでその手書きの文字には色々籠っていたわけじゃないか。さっき俺は小説家は頭がおかしいと言ったな?それは敬意や畏怖も込めてある。あいつらは頭の中の幻覚を紙に書きつけるときに…陳腐な表現しか出てきやしないが、魂を書きつけてるんだよ。恐ろしいことだね。がりがりとペンに任せて生きるために必要な何かを削り取っているんだ。書いたら死ぬくせに書かなくても死ぬと来た、あいつらは何と戦っていたんだ?亡霊か?そんな危機迫ったものは活字に変換されてインクで刷られても、その残滓は感じ取れる。一行一行を追っているときに目にやたら引っかかる文字列がそう訴えかけてくるんだ。ところが紙まで保持していたその怨恨じみた何かが、電子の画面に引っ張り出されたとたんに「ふっ」と軽くなりやがった。どういうことなんだろうな。いくら読んでも抜け落ちる。縦書きか横書きが問題なのかと考えたが、違う見たいだ。時代の変化には勝てなかったのかな。時代の流れが川に例えられるけども、今なら河川敷がどうこうして動植物の保護を求められる理由がなんとなーくわかった気がしたよ。これからの時代パソコンだけで書く小説家は生き残れるかな? それで、何が言いたいかって?ああ、このパソコンは俺たちの墓場さ。
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Heart
あとがき
お題:宿命のパソコン 制限時間:30 分 2013年9月29日だった。このころから既にメタ。
Hearts
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ゆみょん
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創作断片
ゆみょん
2017/11/27 22:06
全11話
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