TEGAKI
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かのこ.
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⑤灰の兵士/藍の王子 (2)
【注意書き】 ※シリアスです 書きたいことが最優先でその為に無理矢理辻褄を合わせています(合っているとは言っていない) 今まで以上に滅茶苦茶なご都合展開になっています 階級とか上下関係とかタイムスケジュールとか色々だいぶ滅茶苦茶です 本当に書きたい都合が最優先の超絶不親切設計です 【注意書きここまで】 『まぁ~ヤンチャしてくれちゃって』 不審者騒動が起こった舞踏会 王のマキジは使用人や兵士たちに適切な指示を与え、招待客を安全に帰し場を納めた その後、書斎で一息つきながら舞踏会を混乱に陥れた不審者たちについての報告を待っていると 警備を担っていた険しい顔の護衛部隊の隊長と、訓練生の指導を担当している顔面蒼白の教官がやって来た ここでマキジは不審者の正体が訓練生たちの出来心だったと知る 報告と謝罪を聞いたマキジは思わず吹き出し声を上げて笑ってしまった 『若気の至りってやつ?…って言ってあげたいトコだけど 規則を破って色んな所に迷惑かけたんだからペナルティは受けてもらわないとね 訓練生の無断外出は規定通り十日間外出禁止でその間は寮の雑用を手伝うこと』 『はい…寛大なご処置を賜り、心より感謝申し上げます』 『次からもっと上手くやれって指導してやって』 『…ぃ、ぃぇ…この度は誠に申し訳ございませんでした…』 本気か冗談か、それとも嫌味か、教官はマキジの言葉に冷や汗をかきながら頭を下げ続けていた まぁこんなトコか、とマキジが場を切り上げようとしたその時 『…そのご指導の際は、是非ご子息にもご同席頂いたら如何ですか』 低く、はっきりとした声にマキジが視線を向けると、側で二人の話を聞いていた護衛隊長が厳しい顔つきでマキジを見つめていた *** 昨晩の若い訓練生たちの不審者騒動は即座に王から処分が下され、その顛末は他の訓練生たちにも朝礼で告げられた 『…なんでムツまで暗い顔してるんだよ』 『……』 基礎訓練を終え、各々が持ち場についた頃 ロクとムツは今日も変わらず武器庫で武器を磨いている 『…自業自得だろ…あいつらの ムツの話、馬鹿にしないでちゃんと聞いてれば良かったんだ』 『…でも、それは…自分がもっと強かったら…止められてたかもしれない…から…』 磨く手が完全に止まってしまったムツは相当に落ち込んでいるようだった そんなムツにロクは『ムツのせいじゃない』としか言えない自分がもどかしい この落ち込む相棒を元気づけるにはどうしたらいいかとロクは悩んだ 『…ムツは一番最初に止めに入っただろ』 『?』 『あいつらが城を覗きに行こうぜって話してたとき あれだけ盛り上がってたのに最初に駄目だってちゃんと言ったのはムツだろ』 『それは…そうだけど…』 『そういうことって中々出来ないと思う 俺も…関わるのが嫌で、あいつらにも、教官にも…知ってて黙ってただけ、だし…』 『………』 『…と、とにかく、ムツは何も悪くないだろ そんなに落ち込むなよ』 ロクが懇々と諭すがムツは中々立ち直れない 結局重い空気を変えることはできないままで武器の手入れを進めていると 『訓練生に告ぐ 業務を中断し、今から三十分以内に演習場へ集合すること 繰り返す、業務を中断し…―』 館内放送で教官の声が響く ロクとムツはお互い顔を見合わせ、 『何だろう…?』 『さぁな、でも早く行こうぜ、三十分だって』 『う、うん!』 ロクとムツは慌てて道具を片付け演習場へと向かった 隊列を組み教官が表れるのを待つ 本来ならば静かに待つべきなのだが他の訓練生たちも呼び出された理由が気になるようで、演習場はヒソヒソと話し合う声でざわついていた 『静粛に! …では、今から連絡事項を伝える 聞き漏らさずよく聞くように』 やがて現れ声を上げた教官の話を訓練生は注意深く聞き取る 『えー、我が国の王が翡翠の国と友好を深めようとしていることを知っている者もいるかもしれない この度、我々が翡翠の国へ行き、翡翠の兵士と三日間の合同演習を行うことが決定した 日時は七日後…―』 『『!』』 突然告げられた他国への遠征に訓練生たちの胸に期待と不安の感情が渦巻く 『―…よって、明日から六日間は予定を変更し訓練生全員で特別演習を行う 後ほど寮へ日程表を貼り出すので各自しっかりと確認をしておくこと 以上、解散!』 解散を告げられた訓練生たちが持ち場へ戻る廊下をそれぞれ歩いていると、ムツがぽつりと呟く 『翡翠の国か…それも三日間…』 『あぁ、雪ばっかりのうちの国に無いものがたくさんあって、だから王様は翡翠の国と関係を持ちたがってるんだってさ』 『へぇ…ロク、詳しいんだね』 『……新聞で読んだ』 『…そうなんだ』 …まただ、とムツは思った ロクは時々、別のことを考えているような気がする それは聞いても良いことなのだろうか 『……』 …いや、なんとなく、聞いてはいけない気がしていた *** 翡翠の国への遠征に向けて組まれた六日間の特別演習は瞬く間に過ぎて行く 演習の内容は翡翠の国の歴史や法律などを学び相手国への理解を深める座学が追加されていた 六日目の最終日は休暇となっていて翌日の遠征へ備えてしっかりと体を休めておくようにとの指示だった 丸一日の休暇 素性を隠して訓練生として過ごしていた昴は城の自室へ戻っていた こうして隙を見て城へ戻っては城内でなるべくメイドや執事たち使用人、兄弟妹(きょうだい)の誰かと顔を合わせるようにしていた …と言っても兄たちは非常に忙しく、昴が訓練生として寮に入るずっとずっと前、兄たちが王に認められ役割を与えられるようになってからは同じ城内で暮らしているはずなのに顔を合わせる機会がほとんど無くなってしまっていたので、専ら弟や妹たちとばかり会うことにはなっていたが それにしても、昴は昴として誰かと会う度に自分が城から姿を消していることが発覚したり怪しまれたりしてはいないかと様子を伺っていたが、誰も皆、何事も無い様子で昴と接してくれている 始めの頃こそ本当に気付かれていないのか、と不安になってはいたが、もう一ヶ月以上この生活を続けていられていると言うことは、やはり本当に気付かれていないよう…だ…?と昴は半分安心しかけていた しかし公式に役割を与えられていないとは言え王子の不在を全く気付かれないのもどうなんだろうか、と改めて昴と言う人間の重要度の低さに気が沈んだが、いや今は気付かれない方がいいじゃないか、と頭を振って自分を納得させた この様子なら三日間の遠征も大丈夫だろうか いや流石に国から出るのは危険過ぎないか けれど訓練生に遠征へ行かないと言う選択はよっぽどの事情が無い限り許されない… 一体どうしたら… 演習が延期になるとか、日程が短縮されるとか…ああ、そんなこと起こるわけがない 病欠?只でさえ素性を隠しているのに仮病の秘密まで抱えてなどいられない いつも昴を迷わせる選択肢すら出ないほど、昴は困り果てていた 『…様、昴様』 『!?…は、はい!』 昴が迷っていると、部屋の外から昴を呼ぶ声と扉をノックする声が耳に入った 慌てて返事をする 『王様からすぐに書斎へ来るようにとのご命令です』 『…!!?』 昴は固まった それでもなんとか、弱々しくも『はい』と返事を絞り出したのだが、しばらく動くことが出来なかった 王が…呼んでいる…? 今までは用件の内容そのものを使用人に言付けて指示されてきたのに、それも無しに、呼び出し…しかも…“すぐ”…!? …気付かれてしまったのだろうか…? 返事をしたからには行かなければならない 気持ちと共に鉛のように重くなってしまった体をなんとか奮い立たせ、王の書斎へと向かった *** 『おはよう王子様 写真の男はうちの兵舎の訓練生の指導を担当している教官 こっちの写真の男はお前も知ってるだろう、うちの護衛隊長だ この二人には日々、国の為に実によく貢献して貰っている そこでお前を呼び出した理由だが』 王、マキジの書斎 相変わらず大きなデスクに頬杖をついているマキジが唐突に二人の男の写真を差し出しながら昴へ放った台詞はいつか観た物語をなぞっているかのような言い回しだったが、とても台詞を借りる冗談を言っているとは思えないほどの機械的な声色は劇中の緊張感を孕んだ事務的な言い回しを真似ているのか、それとも… 物語の主人公であるスパイへ任務を言い渡す為の台詞 それは昴が“潜入”していることを重ねているのだろうか 目の前のソファへ座れとも言われず立ったまま俯いている昴は、この空気が恐ろしくてマキジへ目線を上げられない …バレてる これはバレてる ああ、きっと、いや絶対、物語に出てくるメッセージのように、 数秒後には訓練生を自動的に辞めさせられてしまうんだ… 嫌な汗がじっとりと首筋を伝ったその時 『明日、俺たちに付いて翡翠の国へ行くか?』 『…え?』 昴が思わず顔を上げるとマキジと目が合う 恐れていたマキジの黒い瞳はどんな感情を宿しているのか…上手く読み取れない バレた、と言う話ではないのか…? …いや、違うのなら、その話よりも、今… 『翡翠の国だよ お前、翡翠の国王を招いた舞踏会であそこの朱の王子と闘ったろ? まさか忘れてるんじゃねぇだろうな?』 『い、いえ、覚えています…』 翡翠の国?明日? それって… 『ウチの国に訓練生の制度があるのは知ってるよな? 翡翠の国にも似た制度があるんだよ だから明日から二泊三日、訓練生の合同演習でウチが翡翠の国へ行くことが決まった お前、剣の稽古受けたがってたろ?せっかくだし俺と来る?』 『……』 …なんて事だ 悩みの種が増えてしまった昴は絶句した ただでさえ訓練生として黙って三日間も城を空けることは可能かどうかと頭を抱えていたのに ここで以前受けたがった剣の稽古と言う王の提案を断るのも不自然ではないのか 『わ、私が…ですか…』 昴はまたも迷う …けれど、王はどうして自分に声をかけてくれたのだろう 以前朱の王子に負けた際、剣の稽古を付けさせて欲しいと頼んだときはあれだけ反対されたのに …それとも あの時反対はしたけれど、連れて行ってやってもいい、と“認めて”くれたのだろうか… 昴は微かに期待した それなら、自分は自分として… 『…私は…』 だが訓練生の方はどうする ―…そうだ、もしも今ここで、正直に打ち明けて謝罪したら…― 昴は意を決して打ち明けようと口を開きかけた…が、 『まぁ、いきなり明日ってのも急過ぎて迷うわな …この前の舞踏会の不審者騒動、アレの正体がウチの訓練生でさ、今ペナルティで外出禁止中なんだよ それで連れてく人数にたまたま余裕が出来た、ってワケ …だからそんな一世一代の大勝負みたいな顔して深刻に考えることは無いんだぜ』 『…!』 ―…まただ また“たまたま”だ つまり、たまたま席が空かなかったら、こうして声がかかる事は無かった…と 確かに、一ヶ月以上もまともに顔を合わせていない…城を抜け出している事にも気付かないほどの存在を、突然心変わりして認めるだなんて都合の良い事が起こるわけが無いんだ たまたま席が空いて、たまたま自分の言葉を思い出して、たまたまただ空きを埋めたいだけの軽い問題で、つまりそれは必ずしも自分じゃなくたっていいんだ それなら、自分は自分として必要とされている所へ行く 『…折角ですが、今回は辞退させて頂きます』 王に理由を聞かれるだろうか? 三日間も城を空けて騒ぎになったらどうする? …さぁ?その時はその時だ 『…そう、“お前”は、行かないのね』 意外にもマキジの返答はあっさりとしたものだった 『失礼致します』 深く追求される前に一礼し書斎から去ろうとする昴の背中に、 『探しものは見つかったか?』 脈絡もなくマキジが問いかけた 『え?』 …探しもの?と昴は振り向く 『無くしたんだろ? “誰かに貰ったプレゼント”』 『…? ………!』 …思い出した 舞踏会へ出るために寮を抜け出し、裏口から城へ入った際に鉢合わせしてしまったメイドを誤魔化そうと咄嗟に吐いた、あの嘘だ どうして王が知っているのか… 昴の動揺をどのように解釈したのだろうか、マキジは言葉を続ける 『“きっと恋人からの贈り物よ”ってメイドちゃんたちが噂話でキャーキャー言ってるぜ 手編みのマフラーだとか、熱烈なラブレターだとか、仲睦まじい二人の写真だとか、どんな女性かしら~って』 『……』 『最近お前を城で見かけないとは思っていたけど、ナルホドそう言うことね』 あの嘘が、そんな尾ひれの付いた噂話として広まっているのか…!? それを阻止するために“誰にも知られたくないから”と言葉を添えたのにそのニュアンスはあのメイドへ全く通じていなかったことに昴はまたも心の中で頭を抱えた 『そんなに大事なモン無くしたなんてバレたら一大事だぜ 俺が同じモン用意してやろうか』 …ああ、けれど、 これはこれで都合が良いのかもしれない 幸いにも王は自分に恋人が出来たと思っているようだ そして王も一緒に翡翠の国へ行き三日間城を空けると言うことなら、もしも自分の不在が発覚しても、 “王の不在を良いことに内緒で恋人と逢い引きをしていた 気恥ずかしくて誰にも言えないでいた” そう言えば良い 『いえ…もう… …諦めました』 もう、それで良い 『あっそう』と返すマキジに昴はもう一度一礼し、退室した マキジは閉じた扉を見つめながら、昴に告げることが出来なかったいつか観た物語の台詞を頭の中に巡らせていた Even if something happens to you, (君の身に何が起こったとしても、) think we don't concern your behavior at all. (こちらは一切関知しないと思いたまえ) Good luck. (健闘を祈る) 『…諦めてんじゃねぇよ』 【続く】
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Heart
あとがき
台詞パロディ元は映画M:●から台詞を調べてス●イ大作戦を参考にさせて頂きました
英文は英文を載せてるサイト様からそのまま引用は宜しくないのではと思って、台詞を参考に考えた日本語文をエ●サイト翻訳のお世話になり、その後、日本語の方を意訳っぽく変えました
(大きな声で言うことではありませんが、恥ずかしながら私の英語力は全国最下位争いレベルです…)
誰も知らない・知るすべが無いので予測ですら知りようがない、
知っているのは干渉できない世界から見ている画面の前の貴方だけ!
みたいなのって本人は何も知らないから(ある意味)幸せだけど見てるコッチとしてはその(ある意味)幸せな画ヅラが凄く残酷だと思うんですよね
でもその残酷さって嫌いだけど好きなんですよね
自分探しで潜入したのに“探し物?何それ?”からの“諦めました”とか関係ない所で皮肉っぽいことになってたり
バレないように気にする割には咄嗟に吐いた嘘を忘れてしかもめっちゃ広まってて焦るとか
ふとした油断が雪だるま式に大事になってるのも好きです
ハンカチの贈り物は別れの意味を含むとか(※諸説あります)
Hearts
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かのこ.
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自己満足丸出しでアップしたけど
後になっていたたまれなくなったもの、
確保(人に見せられないような状態)です
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