TEGAKI
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川棲大間
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sequel
「あ?何見てんだ?」 怪訝そうな顔で恋人の常世現がこちらを見返していた。どうやら、いつの間にかじっと彼女の顔を見つめてしまっていたらしい。探偵業を営んでいる彼女の事務所のテーブルで、自分で入れた珈琲をすすりながら答える。 「いや・・・なんか現の顔見てたら小さい頃のこと思い出して」 「小さい頃?」 なおも怪訝そうに尋ねられる。 「そう。小学校一年生か二年生ぐらいだったかな」 「なんで私がそこで出てくるんだ」 もっともな話である。以前に比べると随分と豊かになった彼女の表情に苦笑する。 「初恋」 こんな話をしたら君は怒るだろうか。暫しの逡巡の後、そう口にする。 「初恋ぃ!?」 彼女が素っ頓狂な声を上げる。 「なんだよでかい声出して」 「うるせえ。急にそんな話になると思ってなかったんだよ」 「で?お前の初恋がどうしたって?」 現はニヤニヤしながら先を促してくる。どうやら怒ってはいないようだった。 「俺が泣き虫だった頃の話」 「今も泣き虫じゃねえか」鼻で笑われながら茶化される。 「悪かったな。今も泣き虫で。」 「悪いなんて一言も言ってねえだろ。・・・で、続きは?」 「ああ、はいはい。いつもみたいに友達からからかわれて泣いていた俺の前に、急に現れて庇ってくれた女の人がいてさ」 「で?その人に恋しちゃいましたってか?」 「話は最後まで聞けって。もう俺もその時その人がやったことはほとんど覚えてないんだけどな、めちゃくちゃ怖い思いをしたせいもあると思うけど。ただはっきりと覚えているのはその人が俺のことを最後まで守ってくれていたってこと。自分の命をかけてまで」 「・・・」 「正直滅茶苦茶かっこよかったし、自分もそうなりたいってその時思った。誰かを守るために自分の命をかけられる人ってなんて素晴らしくて素敵なんだろうって」 「・・・」 「その時その人が言ってくれたんだ。汀は弱虫じゃない。お前は誰よりも優しくて強い子だって。正直その頃はもうヒーローなんかに憧れる年じゃないと思っていたし、何より自分はそんなかっこいいものにはなれないと思っていた。でも、その言葉があったから、俺でも守れるものがあるんだって思えたし、本気でヒーローになりたいってその時思ったんだ」 「・・・」 現はまだ黙っている。 「だから今の俺があるのはその人のおかげっていうか。尊敬していたし憧れていたし、後から考えたら好き・・・だったのかも知れないって。だから初恋の話」 「で、なんで私を見てそれを思い出すんだ」 ようやく口を開いた彼女はそう指摘する。 「ああ、そうだった。もうほとんど覚えてないんだけど、その人、現に滅茶苦茶似てた気がしたんだよ。金髪だったし目つき悪いし口悪いし。正直最初滅茶苦茶怖かった」 「・・・」 「ふーん」 暫しの沈黙の後、そう言った彼女の口元が微かに緩んだ気がした。 「・・・」 「・・・」 「もしかして」 お前か?と言いかけた口を噤む。 「なわけねえだろ、汀」 こちらが言い切るまえに現は答えた。何やら機嫌が良さそうだ。 いや、まさかね。 to be continued...
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Heart
あとがき
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記憶のヒーロー : 前へ
川棲大間
カワスミオオマ Twitterではおっくんだったり。
いつの間にやら川に住み着いていた鮪。
普段はTRPG(CoC,DX3,etc)やったりシナリオ書いたり。
絵は…描けたら…いいなって…
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Beginning of the HERO
dicekrimd
2017/09/02 17:28
全3話
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