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夢見る少女は輪廻の中で。
「……ぇ」 何こいつ。 そう思ったのは、とある夏の日。 照りつける日差しの中、ギラッギラに光るスパンコールのズボンを履いた彼はひとり橋の片隅で黄昏れていた。 黄昏れているだけならまだしも振り返った彼の全身を見た瞬間、私は思わず携帯を取り出した。 自分の顔がプリントされているタンクトップを着ている時点で、それはもう不審者なんじゃないか。 見ているこちらを見ている。 何故だかは知らないが、こいつはヤバイと思った。 そんなことを思っていたら、彼が私の元へ近付いてきた。 「ちょっ」 よし。 警察を呼ぼう。 携帯のボタンを押そうと指先を動かした瞬間に、彼は私の手を掴んだ。 え。 ちょ。 普通に怖い。 掴まれた方の腕を決死の覚悟で振り払おうとしたが、……やべぇ。 びくともしねぇ! こいつゴリラなのか? 元々もやしっ子な私のやわな腕で敵う訳が無いと悟ってはいたが、微動だにしないとはこれ如何に。 「す、すまない。カラ松ガール。知り合いに似ていたものだから、つい」 「え」 いや。 うん。 待って。 全く話が見えないんだけど、それはつまり人違いでしたって事? と言うか、カラ松ガールって何。 「あ、居た居た。おーいっ」 「あ‥」 おおおおおおおおおっ! おおっっ? だ、誰だッ! 良くはわからないけれど、救世主キターッ! これで助かる! 誰だか知らないけど、知り合いっぽい雰囲気だし任せて大丈夫だよね?ね? 顔が心なしか瓜二つな気もするけど、私の前に現れた救世主様は灰色のパーカーを着た一つ縛りの女の子。 見た感じ悪そうな感じしないし、だ‥大丈夫、だよね? モノローグ垂れ流して硬直してる私を他所に、今夜の夕飯なんだっけとか淡々と話し合うナスビ顔の双子さん。 女の子の方は誰だかわからないけれど、痛いタンクトップのこいつは妙にイケボだった。 何だこれ。 何なのこれ。 この妙にイケボな痛い方の声、割と最近何処かで聞いた覚えがあるんだけども何処なんだ。 数少ない記憶の引き出しを乱雑に開閉しつつ男の声に耳を澄まして居ると、これは幻覚なのか。 色違いのパーカーで同じような顔の男たち数人がぞろぞろとこちらに向かってきた。 え。 「ちょっと、ちょっとぉ!兄ちゃん寂しくて死んじゃう!」 「ったく。何やってんだよ。連絡つかないから母さん心配してたんだぞ?携帯忘れるとか何なの?バカなの?‥あー、そうだ。バカだったわ」 「死ねクソ松」 「ハッスルハッスル!マッスルマッスル」 「カラ松兄さんってホント使えないよねぇ。まあ、荷物持つくらいにはなるだろうけど。てことで、これ宜しくね!」 え。 待って。 何これ。 ドッペルゲンガー? いや、ドッペルてレベルじゃねぇぞ。 これ、あれ。 ひぃ、ふう、みい。七人じゃん! やべぇ。 やべぇわ。 気がついたら同じ顔に囲まれていた。 つーか、わさわさガヤガヤ喧しいわ! え、何。 何なの? 三分もしないうちに赤、緑、紫、黄色、ピンクと灰色、痛ンクトップに囲まれて八方塞がり的な状況になりました。 どうしてこうなった。 しかも何なんだ。 蚊帳の外にいる私は、目の前のパーカー軍団の会話を聞き流している。 ああ、やっぱり喧しい。 て言うか、平日の真っ昼間にいい大人が大勢で橋の上に屯するって何なの。 なんて思ってたら気付くことがあった。 若干だが数名。 声は若干、違うけど声質が似てるパーカーが数名いることに気づいた。 緑のパーカーからあのイラッとくる情報屋を連想させるような声がときおり顔を覗かせ、紫のパーカーからは知り合いの闇医者を思わせる声がチラホラと聞こえてきた。 そして気のせいだとは思うけど、真顔になった瞬間の黄色いパーカーが一瞬だけ従兄になる。 いや、ホントに何なんだ。 【夢見る少女は輪廻の中で。】 ふと数週間前のことを思い出していた。 というのも今まさにクロスオーバー的な出来事が起きているからである。 いや、待って。 どうゆうことなの。 これは逆に奇跡なんじゃなかろうか。 あはは。 やべぇ。 じゃねぇよ!何これ怖い。 つーか、そんな奇跡役に立たなさそうだし要らねぇわ! 「あのさぁ……」 ピンポイントで同じ人をキャスティングしないでくれますか。 ホントマジで困ります。 私がっていうか中の人が悲鳴を上げているので正直うるさいし、一発殴って黙らせたいのだけど。 どうして、そんな酷いキャスティングをするんですか。 「嫌がらせですか」 「なんの事?」 友人の従弟がバスケの試合出るって言うから、わざわざ来たって言うのに。 何これ。 東京めっちゃ怖い。 何か如何にも帝王って言うかチートって言うかラスボス的な感じの選手と、ぬいぐるみ持った選手が居た。 学生っていうか歳からして全然違うんだけど何故か従兄と情報屋を思い出す。 何故だ。 何故なんだ。 「いや、うん。こっちの話」 「あ。もしかして、そっちも?」 「はあ?」 「いやぁ、実はこっちもなんだよねぇ。なんの因果か、似たような声の人達に出くわしちゃうって言う」 今、目の前にいるコイツは私の友人。 今、目の前で喋ってるコイツは、紛れもなく『私』なのだ。 ホント、何の因果なんだろうね……。 そんなこと言わないでよ。 だって今。 私はさ、ドッペルゲンガーに出くわしてる気分なんだから。 ■ 「した……どうしたの?黒猫さん」 「あ、ううん。大丈夫」 私は黒猫。 行きつけのカフェで抹茶ラテを頼んだ時に、ふと昨日見た夢の出来事のことを思い出した。 というのも今まさにクロスオーバー的な出来事が起きているから。 ……いや、待って。 どうゆうことなの。 なんの話をしているの。 「黒猫さん。抹茶ラテおかわり、いる?」 「じゃあ貰おうかな」 私がいつものように抹茶ラテを頼む。 それと同時にパンダくんが笹を頼んで、その隣でペンギンさんがカフェモカを頼むのが、いつもの光景。 シロクマさんとパンダくんのボケにペンギンさんが鋭いツッコミを入れるお馴染みのやり取り。 この三人のやり取りがコントみたいで私は大好き。 だけど、何でだろう。 私は時々思う。 この三人のやり取りが、妙に懐かしい気がする。 ぼんやりしていたら、ラマさんが来た。 「あ、ラマさん」 「黒猫さん、こんにちは」 ふと、ラマさんを見て思う。 なんで今日はバットを持っていないの? ……なんてね。 突拍子もなく変なことを考えちゃうのは、きっとあの夢を見たせいだと思った。 みんながみんな人間で、ひとつ屋根の下で兄弟として暮らしてる夢。 同じように人間になった私は、みんなの近くに居るんだけど、私はその中にいなかった。 でも全然、寂しくないよ! 今、このカフェには色んな動物や人間がたくさん来て楽しく過ごしてるんだもの。 だから私はこのカフェが大好き! 今はみんなバラバラだけど、きっといつか一緒に楽しく暮らせるよね。
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kazu@
人外と幼女をこよなく愛する奇跡の阿呆で、いつかやる詐欺(※)の常習犯。
絵柄が絶賛迷子中。
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【BLog】人はそれを阿呆と呼ぶ。EX
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※いつかやる詐欺
「やりかもしれない」「○○やる予定」と言いながら実践することなく、そのままお蔵入りしちゃう。
または、未完成のまま放置しちゃうというような手口のこと。
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なんでもない日
kazu@
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夢見る少女は輪廻の中で。
kazu@
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kazu@
2017/10/18 20:47
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