TEGAKI
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ひよのこ
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ウォール
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ちゃんと仕事もしてるよ。
魂回収の仕事が入った。 現場に向かう。 新しい相棒の鎌を持って。 今回のターゲットは若い男の子。 駅のホームの椅子の下に鞄だけ遺して飛び込んだ。 その子は今、向かいのホームの椅子に私と並んで座っている。 そして、じっとブルーシートの方を見ている。 そろそろ行こっかって声をかけたら、 ん。って返事が一言。 動こうとはせず、じっと同じ方を見ている。 そんなやりとりを何回か繰り返している。 私はね、時折足をパタパタさせながら回りを観察するんだ。 色んな声が聞こえてくるんだよ。 でも、感謝の声はない。 あたりまえだけどね。 一分一秒を急ぐこの国で、この死に方をすると、たくさんの人に煙たがられる。 人が一人死んでいるのにね。 他人の死は、同族であっても案外どうでもいいのかな。 でもでも、この国の人は一人一人の命を大切にするとも聞いたよ。 一人の人質のために動いたりするんじゃなかったっけ。 うむ。 不思議。 隣の彼も何を考えているのやら。 自分の体が片付けられるのを見ながら、色々な声を聞くのって楽しいかな。 私だったら着心地悪いからさっさとどっか行っちゃう。 他人が何を考えてるかなんて私が考えた所で時間の無駄。 声に出してもらわないと分からないや。 ん。だけじゃね。 私の仕事はいつ終わるのかなぁ。 今はそれだけが心配。 なーんて考えていたら、魂につられてお呼びでないものたちのお出まし。 あハ。 丁度いいや。 新しい鎌で試しに切ってあげる。 少年。よかったね。もうしばらく自分の死と向き合っていられるよ。
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Heart
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ひよのこ
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3月26日記事のif続き
ひよのこ
2018/01/30 23:14
全25話
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