TEGAKI
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ゆみょん
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ウォール
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混線博打勝利宣言
さて、役者は一人の小説家である。 なかなかに「面白い」若者であった。若者の人となりを簡単に紹介するために周囲の評価を見てみよう。今日これこれこのような出来事があった、それでお隣の奥さんはカッとなって、旦那さんを刃物で一突きしてしまったようだよ。へえ、そりゃあ大変なことだなあ、警察は来たのかい?その時間帯なら騒ぎの声がうちにも聞こえてきたはずだ。おや、聞こえなかったのかい?というかお前はどこの家の話をしているんだ。どこってそりゃあ、俺の頭の中さ。 小説家は現実と妄想の区別がついている。しかし要らぬ親切心が妄想を共有したがらせた。他人の目から見れば「虚実入り混じった」としか言いようのない方法で。 当人の性格と言えば饒舌ではったりばかりかます、けれども話す妄想は娯楽にはうってつけで、おまけに他人の話をよく聞く。仕事の休憩がてら話し相手にするにはうってつけなのである。 さて、先にネタばらしをしてしまおう。ぐつらぐつら湧き出でる小説家の妄想は、他人の話の継ぎ接ぎである。彼自体は何も創造できやしない。それは小説家と呼べるのかという疑問は置いておいて、話しの継ぎ接ぎの仕方が上手い。ごろごろぶつ切りにした野菜どもを煮込んでいくうちに得体の知れないものになることがあるだろう。そのような調子だからどこから突こうが丸みしか帯びちゃいないのだ。面倒な奴である。 若者は飯を食うために、その妄想を小説家という看板に集約した。 あら奥さん聞いてます、あそこの小説家さんの新作、また重版されたんですって。という話題が飛び交う程度には売れた。と言う訳で小説家は妄想を紙に起こし続けた。 しかし書けば書くほど何かがおかしい。妄想は創造できないにしろ、己には想像力があったはずだ。未来についての予測を想像と言うならば、一寸先に何が起こるか、何が見えるかわかるはずなのに、それが見えやしない。日常の記憶に加えて想像があって、そこに妄想が入り混じっていたはずなのに、どんどん自分が抜けて行く。そしてしまいには自分の手が伸びる範囲のものしか見えなくなってしまった。その範囲を超えて広がるのは、暗闇。 小説家には書棚と机と紙とペン、そして廊下に出るだろう襖しか見えていない。なんだか急に足がすくんで立つことも泣き叫ぶこともできなくなった。だから紙に悲鳴を綴った。けれども視野は狭くなるばかり。 小説家は問うた。 どこでもなく、目の前に。 「じゃあ何だい、今こうして話している俺の台詞は、あんたが書いているとでもいうのかい?」 襖の向こうで甲高い笑い声がする。
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Heart
あとがき
お題:天国の勝利 制限時間:30 分
この辺からツールの使い方がわかってきた。
Hearts
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ゆみょん
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創作断片
ゆみょん
2017/11/27 22:06
全11話
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