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②藍の王子/黒曜の王 ※注意書きあり
【注意書き】 シリアスです マキジが昴にネチネチと精神攻撃を仕掛ける話です BLじゃないけど色気がある文章を書きたいと思ったのでそういう感じです(書けているとは言っていない) 私の実力不足が故に、BL苦手な方にBLを連想させてしまうのでは…とややこしいことになっています この話を読まなかったからと言って他の話が分からなくなるとかそう言うことは無いので (この話の中の場面を使うときはその都度状況説明を書こうと思っています) 少しでも嫌な予感を感じたら画面を閉じて頂くことをおすすめ致します 【注意書きここまで】 *** 『あらま珍しい、悔しそうな顔しちゃって』 他国の王子へ息子をけしかけた後、浮かない表情で戻ってきた息子に父はからかうように呟いた いつもは勝っても負けても、まず周りの反応を伺う様子は見せるが結果そのものをいつまでも引きずるような顔なんてしないのに マキジは昴の戦いぶりに口を出したことなど今まで一度も無かったが、息子の変化に少しばかり興味を惹かれ問う 『すぐやられちゃったのがそんなに悔しかった?』 『…いえ…』 昴は否定の言葉の後で何か言いたげに口を開きかけたがその動きは少し息を吸っただけにとどまり、そのまま躊躇いがちに唇を結んでしまったので、マキジはその動作には気づかないふりをして大きく伸びの仕草をして見せた 『ああ~、疲れた そろそろお開きね、テキトーに挨拶してくるわ お前はもう休んでていいよ』 じゃーおやすみ、と軽く手を振りながら立ち去ろうとする王を昴は引き止める 『……私にも、正式に剣の稽古をつけて頂けませんか』 『…なんで?』 ひらひらと振っていた手を止め、王は昴に照準を合わせるかのように目を細めた 今までの軽い態度とは打って変わって今にも自分を撃ち抜きそうな鋭い視線に昴はたじろぎながらも言葉を紡ぐ 『…も…もっと、きちんとした心得を学び、強くなりたいのです 先の決闘のように私が不甲斐ない戦いをしてしまってはこの国の教育もその程度かと下に見られてしまいます』 『ええ~?別にいいよぉ、お前はそんなことしなくて』 『ですが…稽古を見学させて頂くだけでも構いません、どうか…』 『お前さぁ、俺がめんどくせーとか気が向かねーとかそんな感じでテキトーにあしらってるだけだと思ってんなら大間違いだぜ』 『え…?』 『“お前はそんなことやらなくていい” これはお前への命令なの、それがお前の仕事なの、オーケー?藍の王子様』 『そんな…何もしなくていいことが、仕事だなんて…』 『俺にはそう言うのが出来ない奴も必要なの 俺親バカだからさ~、もしもお前が剣の才能に目覚めちゃったりとかしてさ~、倒しちゃマズい奴らも倒されちゃったりするとさ~、俺とっても困っちゃうの』 『そんな、まさか…』 思わず呟いた言葉をマキジは聞き逃さなかった 『あるわけない?なんで?ありえるかもよ? それともそれぐらいになってやろうって立派な志は始めから持っちゃいない? 俺はそんなやる気の無い奴にそうと分かってて投資しなくちゃならないの?』 『……』 昴は言葉に詰まってしまい、視線を落とした ずるい人だ これではイエスもノーも結果は同じだ しかし引き下がることはせず、少しずつでも王から答えを引き出すべく言葉を紡ぐ 『…なぜ、その、出来ない奴と言うのが、私なのですか』 『だから前にも言ったろ? 別に理由なんて無いんだって 面白そうって思ったときにたまたまそこにお前が居ただ~け』 『本当に、何も…無いのですか』 『無い無い』 …それはつまり、偶然?たまたまそこにいた自分の運?本当に? それだけのことで、操り人形のように着飾られて、何も賭けない与えられない奪われない、ごっこ遊びをさせられているのか 昴は、きっと王は自分を通して相手を見ているのではないかと微かな希望を大事に抱え込んでいた しかしそれは昴が“なんとなく”感じ取っただけの事に過ぎず、もしかしたら全ては自分のただの願望ではないかと疑いながらも、自分の行動が無意味なものではないと信じたかった 繰り返す夜 変わらない演目 終わらない宴 続けていればいつか功績を認められるかもしれないと思っていた 自分が知らないだけできっと誰かが評価してくれていると思っていた そうやって自分を納得させないと、余りに変化の無い毎日は、自分だけがいつまでもあの大広間に取り残されているような気がして心が折れてしまいそうだった 『あって欲しい?』 『…え…?』 突然の言葉にに昴は思わず間の抜けた言葉を発してしまう 欲しい?何が? 昴が戸惑いの視線を向けるとマキジはまるで最初から目の前に居たかのように静かに少しずつ、少しずつ、近づいて行く それは昴の心の隙間に入り込むようでもあって 『納得の行く答えが欲しい?』 『…い、いえ…そんな…』 図星を突かれ、深い藍色の瞳を迷うように揺らしながら弱々しく言葉を濁し、うやむやにしようとする昴をマキジは逃がさない 『どうしてこんなことをさせられているのか 分からないまま従う自分は正しいのか、愚かなのか、気になってたまらない?』 『!』 『いいや愚かなんかじゃないはずだ だって毎日良い子で言いつけを守っているのに』 『…そんな…こと…は…』 『なのにどうして誰も褒めてくれない? 本当はみんなどう思ってる?』 『…違…』 『聞いたって、だぁれも、なんにも、教えてくれない』 『……』 『朱の王子は何て言ってた? 凍り付いた空気はお前のせいだと責めたか? お前のせいじゃないと慰めてくれたか?』 『………』 自分の心の機微を丁寧になぞるように言い当てられた昴は顔を背け抵抗の意思を示しながら、浮かんだ言葉を闇雲に呟いてはいるが、既に頭の隅ではぼんやりと (ああ、“やっぱり”、何も無いだなんてただの意地悪で、目の前にいるこの人は、こんなにも自分のことを見てくれていた) と、仄かな喜びを感じてしまっていた 『欲しい答えは貰えなかった それじゃあ次は誰に訊こうか』 優しくとろとろと流し込まれる言葉は蜜のように甘い毒だ このまま満たされたらどうなってしまうのか その内すっかり黙ってしまった昴を王は咎めない (どうしたら、不安な心が安らぐだろう) 『どうしたら、不安な心が安らぐだろう』 昴の頭に流れ込んだ音声は、自分の心の声なのか、目の前にいる人間の声なのか、 もう、混ざり合って分からない 『…俺の答えが欲しい?』 『…………』 きっと、この人ならば、本当に欲しい答えをくれるに違いない ―…はい、 躊躇いがちに震えながら薄く開いた唇から、殆ど吐息のように小さな本心が漏れ出たのをマキジは確かに聞き取った そして、その救いを求める心を優しく掬い取ろうとするかのように、または蛇が気取られずに獲物へ這い寄るように、昴の耳元へ唇を寄せ、幼い子供を寝かしつけるように穏やかに囁きかける 『なぁ、分かったろ? お前本当は…』 マキジは昴の心臓の辺りにトンと人差し指を置くと 『…自分が安心することが大事で、真実なんてどうだっていいんだ』 とどめを刺した 『!』 突きつけられた言葉に昴は我に返り瞳を大きく見開く 『……、……』 否定の言葉を紡ごうと必死に口を開くが、マキジは昴が動揺で狼狽える隙を突き言葉を続ける 『いいぜ、安心させてやる』 昴の心臓は痛いくらいにドッドッドッと大きく脈打っている この鼓動だって今ナイフのように突き立てられている指を通して伝わっているに違いないのに 目の前の王はそれを茶化すこともせず素知らぬ顔で選択を迫る 『だけどどう安心したいのか、決めるのはお前だ お前は、 突き放されたい? 甘やかされたい?』 昴は決めることなんて出来るわけがないと思った …そんなの、求めた答えとそっくり同じ言葉なんて貰っても、意味が無いじゃないか… 自分はただ、王が何を考えているのか知りたかっただけなのに だけどそれが、本当にただの偶然で、運で、理由なんて無かっただなんて、 “信 じ た く な く て・・・―” “真実なんてどうだっていいんだ” 『!』 自分の想いと、耳を塞ぎたくなるようなマキジの言葉がシンクロし、ハッと驚いた拍子に昴の体はマキジから一歩二歩と離れた 相当ひどい顔をしていたのだろう 青ざめた顔で息も心も乱し驚き戸惑う昴の顔をマキジは少しだけ見つめ、やれやれとでも言うように苦笑し溜め息をつくと、 『………ったく お前、ちゃんと、自分を持ってないと すぐに悪い大人につけ込まれるぞ』 ここに、と示すように呆然とする昴の心臓の辺りを今度はノックするように軽く小突く 『オヤスミ~』 そしていつもの軽い調子に戻ると何事も無かったかのようにその場を後にした 遠ざかる足音が消える頃、昴は膝から崩れ落ち床へ手をついた はぁ、と大きく息を吐く そしてゆっくりと酸素を取り入れ吐き出すことを繰り返しながら、落ち着きを取り戻そうとする 気味が悪いほどに心地良い言葉で満たされかけた頭はまだくらくらしていた 胸の中心に手を当て掴むように握る 心臓はドキドキと大きく鼓動している …自分を、持つ? それは、つまり、 “どう安心したいのか、” このまま従うか? それとも抗うか? “決めるのはお前だ” 交互に浮かんでは消える二つの声はまるで天使と悪魔の囁きだ ああ、だけど、 どちらが天使でどちらが悪魔なのだろう 問いかけても、誰も答えを与えてはくれない
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Heart
あとがき
BLも好きだけどBLじゃないからこその紙一重の妖しさ・危うさにグッと来るので
おこがましいのですが自分も書いてみたいと思って書いてみました(書けるとは言っていない)
相手に何かしらの恋愛・性的感情を持って相手に対して意図的に色気を出してるのではなくて、
それぞれが持ってる空気がぶつかって副産物的な感じで、直接的にも間接的にも恋愛・性的なことは一切何もしていないのに
何故か妖しい空気になってる感じを出したかったんですが、上手く書き表せない語彙力の無さがもどかしい…
Hearts
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自己満足丸出しでアップしたけど
後になっていたたまれなくなったもの、
確保(人に見せられないような状態)です
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